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2013年10月13日日曜日

原発のコスト

廃炉には、40年かかるんだろ?

原発のコストは本当に低いのか? 廃棄物管理は10万年だろ?



 【根岸拓朗、笠井哲也、岡本進、木村俊介】東京電力福島第一原発で9月以降、単純な作業ミスによるトラブルが続いている。放射線量の高い現場で働き、汚染水まで浴びた作業員もいる。ミスの背景に何があるのか。

福島第一、頻発する作業ミス
 「浴びちゃったな」「きょうも高かったな」

 第一原発の出入り口「入退域管理棟」。その日の仕事を終えた作業員たちが、渡されたレシートのような紙を見てつぶやく。無言で数字を見つめる人もいる。

 記された数字は、被曝量。1日で2ミリシーベルト近く被曝する作業員もいるという。一般の年間追加被曝限度の2倍近い。

 建屋周辺は今も毎時100ミリシーベルト超の場所がざら。作業ごとに浴びる線量を想定して計画を立てて現場に向かうが、1年間の被曝限度50ミリシーベルトを超えると、その年は現場では働けなくなる。

 「被曝線量がパンクすれば、ポイ捨てされるだけ」。10年以上、第一原発などの原発で働いてきた30代の男性は、そう自嘲する。

 事故前は原子炉建屋内などの作業でチームの責任者も務めた。事故直後、避難先から志願して戻り、原子炉に水を入れるために建屋にホースを運んだ。被曝量が1時間で10ミリシーベルトを超え、「死ぬかと思った」こともある。

 五輪に沸き返る東京の様子や、消費税増税がメディアをにぎわす一方で、第一原発の報道はトラブルばかりで、作業員の声はほとんど報じられない。被災地に著名人が慰問に訪れても、作業員には会わずに帰る。

 「今は社会全体で応援してくれる空気が感じられない。モチベーションがどんどんなくなる」とぼやく。

 入退域管理棟で働くベテランの男性は、汚染水絡みのトラブルが相次いだ夏ごろから、作業員の肌や下着の汚染が増えたと感じる。

 防護服に全面マスクを身につけてはいるが、マスクを外す際に汚れた手袋で首筋に触れる人もいるという。「事故後にゼネコンが集めた作業員は経験も知識も浅く、防護服も上手に脱げない」

 第一原発は通常の発電所と違い、ガレキ撤去やタンクの据え付けなどで少しずつ様子が変わっていく。事故前の作業経験が通用しない現場もある。男性は「国が対策に乗り出してから、きつい作業工程が組まれ、現場に余裕がなくなっているのでは」と推測する。

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